霊:みなさんこんにちは!ゆっくり霊夢だよ! 魔:ゆっくり魔理沙だぜ! 魔:霊夢、新型コロナウイルスが流行し出して、もう3年目か???夜の街もすっかり様変わりしたんだろうな? 霊:キャバクラ、スナック、ラウンジにクラブ、接客を伴う飲食店はどこも大打撃で、閉店しちゃったお店も多いみたいだわね。 魔:フィリピン?パブでフィリピン女性の太ももを触りながらお酒を飲むのを楽しみにしていた昭和のお父さんも、コロナが心配で足が遠のいちゃうんだぜ。 霊:フィリピン?パブなんて、コロナが流行する前からもう下火で、このままじゃ絶滅しちゃいそうだわよ。 魔:昭和のお父さんのオアシスだったフィリピン?パブも、今じゃそんな状況なのか?? 霊:よし!じゃあ今回は、なぜかどこにでもあった!消えたフィリピンパブについてゆっくり解説していくよ! 魔:それは楽しみなんだぜ!それじゃあ、、 二人:ゆっくりしていってねーーー!!! 霊:1970年代、日本に海外旅行ブームが巻き起こると、フィリピンは日本から近いこともあり、ハワイ、グアムに次ぐ人気の観光地として注目を集め、首都マニラには多くの日本人観光客が訪れたのよ。 魔:ハワイやグアムはカップルや家族で行くところだけど、フィリピンはスケベな昭和のお父さんたちが特に行きたがったんだぜ。 霊:1970年代後半には東南アジア、特にタイとフィリピンへの買春ツアーが流行り、やがて諸外国の反発を招くようになり、1980年にはフィリピンでも、女性グループとキリスト教グループが日本大使館への抗議活動を行うなど社会問題化していったのよ。 魔:昭和のお父さんにとっては残念なことなんだろうけど、同じ日本人としては恥でしかないんだぜ。 霊:1981年に日本の鈴木善幸首相が東南アジアを歴訪した際には、行く先々でデモが行われ、鈴木首相も東南アジアへの日本人の旅行は非常に悪質であると認めざるを得ない状況に追い込まれたのよね。さらにマルコス政権の政情が不安定なことも手伝い、フィリピンを訪れる日本人観光客は急激に減っていったのよね。 魔:でも日本人旅行者がフィリピンで使うお金をあてにしているフィリピン女性もたくさんいたんじゃないのか? 霊:そうだね。外国人観光客が激減したフィリピンのエンターテイナー業界では、このまま観光客が再び増えることを待つより、若いフィリピン女性をエンターテイナーとして日本に送る動きが出てきたんだよね。これが当時、流行語にもなった「ジャパゆきさん」だね。 魔:ジャパゆきさんか???久しぶりに聞いたんだぜ。確か日本に出稼ぎに来る女性のことだよな。 霊:そうだね。フィリピン政府は1982年に海外雇用庁を設置、フィリピン人の海外での出稼ぎ労働を国をあげて支援するようになるんだよ。 魔:フィリピン人の海外での出稼ぎ労働っていったって、中身は水商売で働くフィリピン女性ばかりじゃないのか? 霊:確かにそうだわね。日本には各地にフィリピンパブ、フィリピンラウンジが出来、フィリピン女性特有の明るさや陽気さ、人懐っこさで人気になるのよね。 魔:小料理屋の片隅で篠ひろ子か倍賞千恵子みたいな若女将としっぽり飲むのもいいけど、フィリピンパブで弾けたい昭和のお父さんもたくさんいたに違いないんだぜ。 霊:多くのジャパゆきさんを送り出したいフィリピン側のプロモーターや政府の意向と、どんどん若いフィリピン女性を招きたい日本側のブローカーや経営者の思惑が重なり、日本に住むフィリピン人女性は飛躍的に増えていったのよね。 魔:それだけビザが簡単に取得できたってことだよな? 霊:来日したフィリピン女性の大半は、歌手やダンサーなどのタレントやエンターテイナーに認められる興行ビザを取得して来日したものの、認定要件があいまいで、タレントやエンターテイナーとは名ばかりのなんちゃってダンサーやなんちゃってシンガーばかりだったわね。 魔:なるほどなんだぜ。エンターテイナーとは名ばかりで、実際は全国のフィリピンパブでホステスとして接客をしていたというわけだな。でもフィリピンにはそんなに日本に行きたい若い女性が多かったのか? 霊:フィリピンでは、日本で働くことによって貧困から脱出するケースも多くなり、ジャパニーズドリームを夢見る多くの女性たちが日本行きを目指していたんだよ。フィリピンにはプロモーションと呼ばれるタレント養成所が多数でき、フィリピン中から集まった多くの若いフィリピン人女性が日本行きを目指して歌や踊りのレッスンに励んでいたんだよ。 魔:タレントといっても芸能界にデビュー出来るわけでもなく、フィリピンパブで働くタレントということだろ? 霊:中には1990年代前半に女優として活躍したルビー?モレノのようなケースもあるけど、彼女も実はフィリピンパブのホステスとして働いていた「ジャパゆきさん」だったことを週刊誌にすっぱ抜かれ、脳性麻痺による重い障害を持つ子の母である事を告白していたわね。 魔:ルビー?モレノなんて名前、久しぶりに聞いたんだぜ。彼女もジャパニーズドリームを夢見て来日した一人だったんだな。フィリピンパブの最盛期はいつ頃なんだ? 霊:興行ビザを使って日本にやってくるフィリピン人の数は2004年にピークを迎え、1年間に8万人を超えるフィリピン人が入国し、北は北海道から南は沖縄、八丈島に至るまでフィリピンパブが出来たのよね。 魔:累計の在日フィリピン人の数じゃなくて、1年間に8万人ものフィリピン人が入国している辺りが凄いんだぜ。でもグラフを見ると入国者数が、杉下茂のフォークボールくらいストンと落ちちゃっているんだぜ。いったい何があったっていうんだ? 霊:そうそう!フォークボールの神様、杉下茂のフォークボールくらい落ちてるわよね???ってならないわよ!例えるならせめて村田兆治か野茂、大魔神佐々木くらいにしとかないと古すぎて伝わんないわよ! 魔:そんな話はどうだっていいんだぜ。どうして2004年を境にフィリピン人入国者が激減しちゃったんだ? 霊:この2004年にアメリカ合衆国国務省による「人身売買に関する年次報告書」の中で、日本が人身売買容認国として名指しされるという出来事があったんだよ。その報告書には興行ビザで来日する若い外国人女性たちについて「性的搾取による人身売買であり、被害者である外国人女性を全く保護していない」と痛烈に批判する報告が書かれてあったんだよ。 魔:あうう???1980年代にはフィリピンで買春していると批判され???今度はフィリピン人を自国に招いて売春させていると批判されたのか???恥ずかしいったらありゃしないんだぜ。実際のところはどうだったんだ?? 霊:もちろん来日するフィリピン人女性のすべてがそうというわけではないけど、確かに来日するためのブローカーは暴力団と繋がっていることもあり、中にはパスポートを取り上げて、逃げられないようにして売春行為を強要するなど悪徳なブローカーがいたことが問題をさらに大きくしたんだよね。 魔:日本政府もキッパリと否定出来るような実態ではなかったわけだな。 霊:当時、日本が安全保障理事会入りを目指していたという事情もあり、日本政府はこの報告書の指摘に対して、なんら反論することなく、外務省や法務省はすぐに興行ビザ発給の審査基準の厳格化を決めたんだよ。 魔:それでなくても日本はアメリカの発言に対して弱気だからな。 霊:こうして2005年からは興行ビザを取得するのが一気に難しくなり、実質、ホステスの仕事をするために来日することはフィリピン人に限らず不可能になり、2006年には興行ビザの発給はそれまでの10%程度に激減し、フィリピンパブの大半が大打撃を受けることになったんだよ。 魔:それじゃあ、その後もフィリピンパブで働いている女性にはどんな人たちがいるんだ? 霊:まず考えられるのは日本人男性と結婚して滞在許可を持つフィリピン人女性だね。ジャパゆきさんと呼ばれたフィリピン人女性の中には、お店で出会った日本人男性などと国際結婚する人も多く、1995年に日本人男性と結婚したフィリピン人女性は7188人にのぼるという記録もあるわね。 魔:日本で素敵な男性と出会えたなら、それは幸せなことだけど、結婚してまでフィリピンパブで働かなくてもいいような気もするんだぜ。 霊:もちろんこの結婚の中には、日本に滞在するための偽装結婚も急増していて、問題になっているわね。 魔:フィリピン人女性たちは偽装結婚してまで、日本で働くメリットがあるのか? 霊:フィリピンパブ全盛期の頃のフィリピン人女性たちの多くは、アパートなどで共同生活を営んでいて、日本ではあり得ない低賃金で過酷な労働を強いられるケースもあったようだけど、それでも少ない給料を貯めて、フィリピンに送金したり帰国する事ができたみたいだわね。 魔:日本人にとっては考えられない労働環境でも、母国フィリピンで働くよりは効率よく稼げたわけだな。 霊:日本で働くために偽装結婚するフィリピン人女性たちの中には、偽装結婚ブローカーに多額の借金を負わされ、半ば強制労働をさせられるケースもあるみたいだし、フィリピン人女性自身も違法行為とわかっている以上、訴えるわけにも行かず過酷な労働条件に耐えているケースもあるみたいだわね。 魔:複雑な事情もあるんだな。フィリピンパブに通う日本人客の中には、フィリピン人女性の身体目当ての男性客も大勢いるんじゃないのか? 霊:そんなケースもあるわね。偽名でフィリピン人女性と交際して、妊娠がわかった途端にドロンするケースとかも多いようで、フィリピン人女性と日本人男性との間に生まれたジャピーノと呼ばれる混血児がフィリピンに約10万人いるとも言われていて、その中には自分の父親が誰なのか知らない子供もたくさんいるみたいだわね。 魔:あうう???真剣に交際するつもりがないなら、せめて明るい家族計画を使って欲しいんだぜ。 霊:現在もフィリピンパブで働く女性は、こうした滞在許可や永住権がある人を除いては不法滞在の女性が中心になるわよね。例えば興行ビザや観光ビザで来日して、その後もオーバーステイと呼ばれる不法滞在をしている人たちだわね。 魔:そんなことがばれたら強制送還されたり、入国禁止措置を取られたら日本にもう来れなくなるんだぜ。そんなリスクを冒しても不法滞在する人がたくさんいるのか? 霊:フィリピン人の不法残留者数は1998年のピーク時には42,608人もいたんだけど、2021年には5,148人にまで減少しているね。もちろんその多くが女性だよ。 …
なぜかどこにでもあった!消えたフィリピンパブ Read More »